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ニュースレターの発行(2021年7・8月)

(2021年7・8月号)
・デジタル化に関する国際税務の潮流
・外国人が所有する日本の不動産を賃借した場合の取り扱い
その他、税制改正の動向など
最低法人税率15%などについて、新聞紙上等の報道が盛り上がっていますが、そのあたりの動向等を簡単にコメントしています。その他、電子帳簿保存法の改正や試験研究費制度の見直しなどについてもふれています。


税務調査シーズン

緊急事態宣言が明けて、国税当局から税務調査の事前連絡が一斉に入り始めているようです。当事務所では、既存のクライアント様への税務調査対応支援を優先とさせていただいておりますが、これまでプロジェクトベースでご関与があった企業様・税務セミナーにご参加いただきました企業様や税理士さんからの紹介については、優先・優遇して対応が可能です。移転価格の税務調査を受けている・海外子会社との取引について寄附金等の指摘を受けている、タックスヘイブン税制の調査を受けているようなケースについて、特に専門的な領域であり、当事務所の経験値が豊富な分野です。その他法人税全般等の論点についても得意な分野です(特に上場企業や一定規模以上の法人グループ様などが多いです)。


個人事業者・中小企業の皆様は、顧問税理士さんからのご支援依頼・ご紹介があった場合のみ対応しております。何かお困りのことなどございましたら、お問合せよりお願いいたします。


経済産業省税制改正要望(国際税務部分)

https://www.meti.go.jp/main/zeisei/zeisei_fy2022/zeisei_r/pdf/1_02.pdf

39~40ページに、デジタル課税についての影響がまとめられています。本年の年末~(政治の動向によっては来年頭)に公表される税制改正大綱で、今後の方向性が見えてくると思います。しばらくの間は、現行のタックスヘイブン税制の仕組みの中で確認・検討を進められることで良いと思われます。


デジタル経済下における国際課税のあり方について

「デジタル経済下における国際課税のあり方について」、経済産業省の研究会の会議資料等が公開されています。https://www.meti.go.jp/shingikai/external_economy/international_taxation/pdf/20210819_2.pdf

ピラー1のデジタル課税については、現在のところ、相当対象企業を限定されそうな方向性ですので、実務に影響があると思われるのはピラー2の方です。コンセプトとしては、タックスヘイブン税制と同様のような仕組みになると想定されますが、既存のCFC税制との整合性、適用対象企業の範囲などについて、しっかりと改正動向を把握しつつ、現在の外国子会社合算税制ととりくんでいただければと思います。


ニュースレターの発行(2021年6月)

今月号のテーマは、

・アメリカ合衆国の税務当局との仲裁手続に係る実施取決

です。相互協議によって、国際的二重課税が排除されない場合(例えば、移転価格課税による二重課税調整が妥結できないような場合)に、第三者国の仲裁手続きが可能となります。
 


国際化対応の人材活用

日経新聞7月5日号に、国際税務対応で苦労する企業の特集がされていました。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO73505010S1A700C2TCJ000

国際税務を担当できる人材を採用しようとしても、超大手企業であっても苦労されていることが取材されていました。また、大手税理士法人にアウトソーシングしようとすると、多額の費用がかかることが想定されます。事業の選択と集中と同じように、国際化対応にもコツがあり、比較的単純な作業は外注し、海外子会社管理など企業のトップ人材が対応すべきテーマは社内で対応するというものです。アウトソーシングというと難しいテーマを外注するしかないという風に考えがちですが、単純な作業を外注し、一方で困難なテーマを社内化するというのは、立派な選択肢です。国際税務に対応できるいい人が取れない、難しい分野を外注すると多額の費用がかかって予算が取れないと悩んでいるだけではなく、発想の転換も必要かもしれません。

「本社の税務担当は、よりリスクの高い海外子会社の税務処理や税務当局への対応に集中する」(大手商社幹部)という。


税務調査対応の理論的支援サービス【一定条件下で優遇あり】

毎年、7月から本格的な税務調査シーズンが開始します。当事務所と税務相談業務をいただいている企業様や過去に税務サービスを受けていただいた企業様から優先的に支援を行いますが(費用的にも優先的なメリットを用意しています)、思わぬ指摘を受けて困られている企業様に随時の支援も可能です。相当程度細かく既存の税理士が関与されている場合においても、国際税務等の検討はノウハウが必要となるため深く検討できていないケースや税務調査の対応には一定の経験則が必要となるため、専門的な税理士がサービスするメリットは大きいと思われます。

是非、想定外の指摘事項を受けて、納得いかないケースなどでは随時のご相談をいただければと思います。税務調査の時点でどうしても決着がつかない場合には、再調査請求(旧:異議申し立て)・審査請求・税務訴訟と救済措置がありますが、近年の税務訴訟等では、納税者側が逆転勝訴するケースも多く、きちんと反論するメリットは大きいです。※そのような対応をすると次回調査以降の調査が厳しくなるのではと懸念されるケースもありますが、実際は逆で、安易に妥協した決着をする方がかえって次回も税務調査に選定されやすいといえます。きちんと理論的な反論ができる企業は、手ごわいという印象を与え、プラスに働く傾向があります。


いずれにせよ、一度更正決定等を受けると、反論を整理するにもそれなりの労力・費用がかかることになるため、事前の分析・理論武装が何よりも重要です。ぜひ、人間ドックを受けるようなつもりで、一度弊事務所の税務リスクチェックサービスをご検討いただくことをおススメします(特にメリットが大きいのは、「課題を見える化」して経営層に(国際)税務に関する問題意識を持っていただくことが大きいと思います)。税務のみならず、経済社会が複雑化した昨今、社内人材だけで専門分野の領域をこなしていくのは至難の業です。適切な外部パートナーを探しながら、チームで体制を構築されることが重要です。

※中堅税理士法人の国際税務相談の対応をしたり、法人税申告書チェック、税務調査支援なども適宜行っています。一定規模以上の企業顧問をされている関与税理士さんからのご相談も承っております。特に、数千万円以上の追徴を指摘されて、対応を困られているケースでのご相談が多いです。

※優遇サービス

過去に弊事務所の有料サービス(顧問契約・プロジェクトサービス・税務調査支援)を受けていただいたことのある企業様には、着手時の最低業務時間を(100時間→50時間)短縮したり、成功報酬方式の料率を一定程度削減して、対応しております。これは、一度弊事務所のサービスをうけていただいた企業様に、長期的にご関与させていただき、必要に応じてオンデマンドでご依頼いただくことの利点を実感していただきたいという思いからさせていただいている優遇サービスとなります。少し接点があってから時間が空いたケースなど、ぜひ、ご遠慮なくお声かけいただければと思います。


税務セミナーフォロー

皆様、税務セミナーにご参加いただき、ありがとうございました。税務セミナーの講師を担当させていただき、5~6年になりますが、延はご参加人数は有料セミナーにもかかわらず数百人を超えていることと思います。皆様の実務対応の参考、税務力の向上の何らかのお役に立ちましたら幸いです。

①価格調整金

 子会社との取引価格について、期末に契約に基づいた利益水準に収めるために(TNMMレンジに収まるために)価格調整金を行う取り決め(契約)について、税務上寄附金課税の対象となるかどうかという議論があります。移転価格事務運営指針3-21では、当該支払いが合理的な理由に基づくものである場合には、寄附金に該当しないとされています。つまり、財政的な支援目的で子会社に支出した場合には寄附金に該当するが、移転価格上の合理的な理由に基づき(TNMM法)、支払う場合には合理性があるため、寄附金に該当しないとされています。実務上留意が必要なのは、移転価格の考え方をすべての税務調査官がしっかりと理解しているとはいいがたく、税務調査の現場では、利益調整として指摘を受ける可能性は現実としてあるということです。保守的な税務アドバイザーの中では、価格調整金のルーツはリスクが高く、相互協議に基づく事前確認申請(APA)の場合にしか使えないと保守的な見解を示しているケースも多いようですが、移転価格の考え方や通達(事務運営要領)の考え方をきっちりと分析する限り、きちんと親子間でTNMMに基づく取り決めを契約しておき、その契約に基づく調整であれば、寄附金で課税(更正決定)されることは不合理と考えられます。一方で、移転価格の考え方がきちんと整理されていないケース(または、事前の明確な契約がないなど)での期末調整は、単なる「利益調整」として寄附金課税されるリスクは大ですので、移転価格上の正当な「利益調整」とその他の「利益調整」は紙一重であるため、事前の整理・理論構築は重要な税務論点であるといえます。

②保証料

 我が国の移転価格税制や通達上、保証料に関する明確な規定はないため、租税法律主義を重視する観点からは、保証料を取らなければ課税を受ける(更正決定を受ける)というルールはありません。一方で、第三者取引と比較した際に、保証した当事者が何のメリットもなくリスクを引き受けるとは考えにくいため、引き受けたリスク+一定のマージンを徴取しようとすることは一般的であると思われます。税法理論としては、種々の考え方がありますが、実践的な税務調査理論的な観点でいえば、税務調査で指摘を受けても明確なメリットが数字として出せない以上、進んで修正申告をする必要がない、ただし税務調査時の無用の指摘を回避するのであれば、事前に最低限度の保証料を徴収しておくのがベターという方向性になろうかと思います(保証料について、現地国で源泉徴収されるようなケースでは、外税控除の論点も生じます)。

いずれにせよ、税務調査で指摘を受けた際には、税務調査官から指摘内容に関する根拠(ロジック)をきちんと確認し、税法理論として妥当な指摘なのかをきちんと確認することが何よりも重要です


海外(子会社)の税務リスク対応

企業のグローバル展開が成熟した昨今、国際税務の論点は、日本親会社の国際税務リスクのみならず、各現地法人における税務リスクも著しく増加してきています。下記資料(経済産業省資料)の44ページ以降などご参照ください。https://www.meti.go.jp/policy/external_economy/toshi/kokusaisozei/itaxseminar2020/23_questionare_hearing.pdf

ここで企業としてきちんと対応すべきなのは、現地の税制を現地役員や現地出向社員まかせにするのではなく、親会社の税務担当(もしくは海外事業・経営企画室等)がきちんと把握して、事前対応しておくことが大切です。現地での税務リスクには、移転価格税制による課税やPE課税など、親会社が主体的に関与することで、二重課税リスクを防止したり、不要なコンプラアンスコストを大きく削減したりすることができます。このあたりの追加税金(費用を含む)は、なかなか現実のリスクにならないと目がいきにくいところですが、何よりも事前の検討及びコントロールが大切です。税務対応というとコンプライアンスコストで企業にとって価値を生み出さないものと考えがちですが、税金もコストの一種を考えると、きちんと原価管理してコントロール下におき、上手にプランニングすることによって企業に大きな価値(キャッシュ)を生み出すことができるアイテム(項目です。是非、専門家を上手に使い分けながら、適切な税務戦略をつくっていただければと思います。

 


ニュースレターの発行(2021年4月、号外)

今回のテーマは、

・パンデミックに関する移転価格ガイダンス

です。コロナ渦の影響で、企業の業績には大きな影響を与えるとともに、移転価格の算定方法(主にTNMM法)の際に使用するデータベース(利益水準)にも大きな影響があります。このような場合に、実務的にどのように対応するかについての指針が公表されていますので、ポイント解説しています。

また、余談として、「立場による租税法解釈の違い」についても、所見に基づく解説を行っています。