移転価格文書化をご検討の方へ

移転価格文書化の検討をされている企業様は、まさに今、どこまで文書化をすべきか各コンサルから上がってきた見積書を検討されている頃ではないかと思います。

連結売上高1,000億円超でグローバル展開されている企業は、ローカルファイルに加えて、国別報告書・マスターファイルを作成する必要があり(日本基準)、今年の3月末までに親会社届出書をすでに提出済かと思います。そして、1年後の提出に向けて準備を進められていることかと思います。

一方、対応をどこまですべきか悩まれている企業は、上記以下の売上規模で関連者取引の金額規模からも本格的な移転価格調査の可能性は低いけれども、文書化の基準になっているケースではないでしょうか。移転価格の文書化を整備しておかないといざ税務調査の際に提出がなければ推定課税の対象となってしまい、多額の追徴課税を受けるリスクが生じるため、そのリスクを下げるために、できるだけ費用をかけずに最低限の文書化をしておきたいといったところかと思います。

私のおすすめは、移転価格の文書化を行うことありきではなく、これを契機として、国際税務に対応できる社内体制の整備(各部署間の連携など)、そして国際税務に関する税務調査に適切に対応する準備のきっかけとして利用していただくことが有用ではないかと考えております。したがって、税務コンサルを採用される際には文書化の作業のみならず、実際の税務調査の現場・社内体制の構築を一緒に考えながらサポートしてもらえるようなコンサルを選定するのが望ましいのではないかと思います(特に文書化という成果物ありきではなく、適切に税務調査に臨むためのアドバイスを行ってくれるかどうかが大切なポイントだと思います。つまり、税務調査で争点になりそうな重要な事項はしっかりと考慮(できれば国際税務全般【タックスヘイブン税制・所得税なども含めて】し、金額的にも影響が少ない論点はどんどん簡略化していくような実務対応力を持っているかどうか)。

特に過去の税務調査で関連者寄附金(出張費用の否認、較差補填金等)に関する追徴課税を受けたことのある企業様は、税務調査の現場でいかに説得力のある説明ができるかによって、税務調査の結果が大きく異なることをご認識されていることかと思います。当事務所ではそのようなケースでの理論サポート(アブセンスフィーの回収、較差補填、ロイヤルティの回収、貸付金利など)を中心にアドバイスしておりますので、ぜひ、一度お問い合わせいただければと思います。


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