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【コラム】私の国際税務情報入手法 ver2

前回、記事を書いてからの変更点をアップデートします。

(前回の記事は、以下リンクより)

http://yawatax.com/?p=593

○専門誌の購読【担当者・専門家】(追加)

大規模法人向けの情報については、雑誌「経理情報」(中央経済社)を参考にすることが多いです。

会計と税務がバランス良く特集されており、大規模法人の担当者にとっては、税務通信・TAマスターより有用な記事が多いと思います。

○勉強会への参加【専門家】

税理士さん向けです。

知人の税理士さんが開催されている勉強会です。税理士会の認定単位も取得できるケースがあるので、ご参加させてみていはいかがでしょうか?

当方もたまに講師を担当させていただいております。

・国際税務実務研究会(大阪)

http://internationaltax.jp/

 

 


【コラム】私の国際税務情報入手法

私の税務情報入手方法をご紹介してみます。税務セミナー等でご紹介することも多いですが、ご参考まで。

(担当者…企業の税務担当者向け、専門家・・・税理士・会計士などの専門家向け)

○交流会の開催(グローバルタックスラボ、当方主催)【担当者・専門家】

http://yawatax.com/globaltaxlabo/

参加費は、1回3千円です(たまに無料の回もあります)。セミナーとは異なり、自分の聞きたいことを講師に直接質問できることが最大のウリです。専門家どうしの人材交流的な要素もあります。講師もお話を準備する中で、勉強できるという利点もあります(なので、ぜひ講師としてもご応募歓迎です!)

○ツイッターによる情報収集【担当者・専門家】

 https://twitter.com/globaltaxlabo

大手税理士法人や一橋大学の吉村先生(@masayoshimu)のツイート等を参考にすることが多いです。とにかく情報の速度はピカイチ。私もできるだけコメントしたり、備忘的にリツイートしたりしているのですが、なかなか深く情報分析できる時間は取れていないのが、残念。

○国際税務研究会(税務研究会主催)【担当者】

 http://www.zeiken.co.jp/mgzn/inter_kaiin.html

 年会費108,000円(会員)。最近、少し重要度が下がってきているかも(少し前の方がセミナー充実していた)。企業の方で国際税務初心者だが、何から勉強して良いのか分からない場合に、お勧め。佐和周先生(国際税務)や藤井恵先生(海外駐在員)のセミナーがお勧め。

○日税国際税務フォーラム【専門家】

https://www.nichizei.com/nbs/zeirishi/consulting/member/international/

 年会費54,000円で年12回までメールで相談を受けることができます(太陽グランドソントンの方が回答をくれます)。質問によっては、多少時間がかかることも。たまにしか国際税務に触れない税理士さんや中堅税理士法人さんにお勧め。

○ニュースプロ(ロータス社)【専門家】

http://www.lotus21.co.jp/works/pro/pro_gaiyo.html

 月額12,960円。国税当局の動向などここでしか入手できない情報があるので、いいお値段ですがやめられない。

○専門誌の購読【担当者・専門家】

税務通信・TAマスター(週刊)

税務弘報・税経通信・税理・租税研究(月刊)など

○経済産業省国際租税のレポート【担当者・専門家】

http://www.meti.go.jp/policy/external_economy/toshi/kokusaisozei/kokusaisozei.html

経済産業省の委託調査費で、主に大手税理士法人の方々が、年1回程度レポートを出しています。特に海外の現地国での課税の動向などは、お役立ち。

書籍

国際税務に関する書籍は、文庫なども含めて、できるだけ購入しています。

 

こうしてみると、それなりに費用・時間がかかりますね。

最後にやはり、私にとっては国際税務の専門家や仲間とのディスカッション等が、何より重要と思っています。やはり自分で書籍等を読んでいるだけやセミナーに出ているだけでは、表面的な知識は身についても、税務に対する考え方(応用も含め)・実践の税務調査でどのように説明・反論するかを会得することは相当難しいでしょう。やはり良いアドバイザーをみつけることと(宣伝?)、ある程度の実務経験の積み上げ(5年~10年程度)が大切かと思います。専門家は情報に対して対価を支払う時代に(旧来型の事務所は規模拡大第一で、新人を育てて戦力にすることに費用・時間を費やす)、企業はノウハウや時間の節約に対して対価を支払う時代に(以前は、社内人材を育成することに費用・時間を費やす、今は転職があたり前となりアウトソーシングの時代ですね)変わってきているのでは。


【コラム】税理士によってばらばらの回答を得たとき、どう判断するべきか?

企業の税務担当者の方から、たまに相談される話を少し。グレーゾーンの税務判断について、何人かの税理士に質問した際に、税理士によって答えがばらばらでどう判断すればよいのか困るというものです。考え方によって答えが異なるからこそグレーゾーンという言えるのかもしれません。税務調査官と議論するためにも、いろいろな意見を知って考えておくことは大切だと思いますが、実務処理を進める上では一定の判断ルールを持っておく必要がありそうです。私であれば、もっとも説得力のある根拠を示してくれている意見を採用するという方針にします。できれば、「文理解釈(法律を文字どうりの解釈する方法)、立法趣旨、他社事例(その分野の実務動向を把握している)」の3点について、納得感のある回答をくれた税理士の意見を採用すると思います。裏をかえせば、他の実務事例を参考として示せないようなレベルであれば、参考の実務書読んで答えているとの何も変わらないですね。税理士選びの際のコツにもなると思います。

大規模法人では、税理士等の特性にあわせて、①大手税理士法人(BIG4など、広範な経験を有している)②国税OB(審理畑の方など、実務経験・税務リスクの見極めが豊富)③法律事務所(裁判までの対応を見据えた対応が可能)を使い分けている例もあるようです。もちろん案件の影響度に併せて、どこまで意見を聞くかという見極めも必要ですし、大手ではタイムチャージでの関与というのが一般的になっている(必要に併せて時間単位で税務相談する方法)ことも大きいと思います。自分の例であれば、②が中心となるかと思いますが、税務リスクの見極め(税務調査で争点が議論になった際に職権で更正処分されるレベルか、そのレベルではないので議論・問題提起で終了するのか、の可能性の大きさを判断する)のが得意分野ではないかと考えています。

企業の担当者の皆様に求められるのは、各専門家から得る回答の精度の見極める力と、その回答にあたって何を根拠にしているかという点の確認が重要ではないかと考えています。


【コラム】将棋三手の読みと税務調査対応の思考について

いつも堅い内容のブログが多いので、今回は趣味の一つである将棋の考え方について、税務調査の対応(備え)にリンクさせ少し書いてみようと思います。将棋がお好きな方なら、分かっていただけるのではないかと思います。

私が尊敬する羽生善治さんの著書の中にこのような記載があります。

「将棋に三手の読みという考え方があります。一手目、自分にとって最善のベストの選択を探します。二手目に、相手にとって最善のベストの選択を探します。つまり、自分にとってもっとも困る一手・選択を考えることです。三手目、それを受けてその手に対して、もっとも有効な手を返します。」

ここで重要なのは、二手目の相手の最善手を知らず知らずのうちに、自分の価値観で読んでしまっているが、それでは最善の読みになっていないということがポイントです。Aさんならこういう手が来るだろう、Bさんならこういう手が来るだろうということをいかに手広く考えることができるかです。私の分析ではこの可能性を先入観なしに、幅広く読むことができているのが、羽生さんの最も優れていて勝ち続けることができている要因ではないかと思っています。20代で7冠タイトルを制覇され、40代半ばでいまだに4冠(現在、5冠目に挑戦中です。)

これを税務調査に対応する際の考え方で応用してみたいと思います。企業の経理担当者の皆様とお話していてたまに思うことがあるのは、一つの税法解釈について、その企業にとって都合のいいように解釈しすぎていることがあるなあと思うことがあります。一つのグレーゾーンの税法解釈をする際には、いろいろな可能性を想定しながら、税務調査官がいろいろな角度から質問してくることに適切に迅速に回答をする必要があります。その際に、相手(調査官)の立場にたって、もっとも自分にとって不利な質問を事前に想定することができるかどうかが、キーポイントになってくると思います。いろいろな角度で考えるということは、多少時間がかかることかもしれませんが、考える時間はどこでもいくらでも可能ですし、そういう可能性を考えること(一種のロジカルシンキング)が好きかどうかという才能もあるかもしれません。

しかし、これはもともとハンデキャップマッチの要素があり、企業の税務担当の皆様はそのような質疑応答を想定することに慣れていないが、税務調査官はいろいろな企業に行ってその場ごとに質疑応答を繰り返し、そのような想定応答について日々訓練されている訳です。自分自身の経験を振り返ってみても、自然と相手の回答を意識(想定)しながら、質問を考えるという習慣が身についているような気がします。企業の担当者は、通常業務として数字の組み立てといった作業を中心とした仕事から、このようなロジカルシンキングといった深い思考を要求される仕事など、多様な業務に対応する必要があります。税務調査対応について、国税OBの税理士が頼りにされるのは、このような点があるのかもしれませんね、、、(一意見です)。


【コラム】ひとり税理士

最近、「ひとり税理士の仕事術」(井ノ上陽一著)という本を読みました。当方の事務所ポリシーと共感する部分も多く参考になりました。たまに、「一人でやっている税理士はどうなんだろう?」という声を耳にすることがありますが、顧客から見たひとり税理士のメリット・デメリットを考えてみました。

(メリット)

得意分野がある(一人でこなせる業務には限度があるため、比較的高付加価値のサービスに特化している)

・大手の事務所のように担当者によるあたりはずれがない(また、良い担当者が退職してしまうといったリスクもない)

・余計な間接コスト・事務所維持経費が不要なため、リーズナブルな価格でサービスを受けることができる

(デメリット)メリットの裏返しが、デメリットといえますが、

・税理士が得意でない分野に対しての相談水準が落ちる

・税理士とビジョン・価値観が合わないとうまくいかない(そもそもその税理士を選ばないかもしれませんが、ある程度仕事をしてみないとわからないものかもしれません)

・比較的な単純な作業(記帳代行など)については、パートやアルバイトといった方が担当した方が安くつくケースもある。

これらを勘案すると、税理士に対して期待する業務が事前に明確となっている場合には有効、逆にいろいろな署問題をワンストップで解決してほしい場合には、なじまないと思われます。例えば、国際税務の諸問題を解決したい、税務調査で困っている場合には有効だが、とにかく法人の決算・申告をしてくれたらよい(めったに難しい相談もすることがない)場合には、有効でないかもしれません。また、ひとり税理士を選ぶ際には、忙しそうな税理士やセミナーなど積極的に活動している税理士を選べば、問題ないのではないかと思います(それだけクライアントからの需要があるということですね)。

当事務所については当面、得意分野に注力した一人事務所路線で行きたいと思っていますが、他事務所との連携を深めつつ、今後の顧客の期待に応じて将来的なビジョンを作っていきたい、と考えています。


【コラム】できる税理士

大手税理士法人や過去の税務調査等で、いろいろな税理士さんをみてきました。数日会っただけの人を含めると数百人でしょうか。私になりに「できる税理士さん」とは、

  1. 知的好奇心を持っていること(単なる勉強好きではなく、クライアントのビジネスモデルを理解しようとすること・世の中の動向を理解すること【アンテナをはっておくこと】が重要。)
  2. 謙虚であること(知らないことをしったかぶりしないこと。いい加減な回答をクライアントにするとご迷惑をおかけすることになります。)
  3. クライアントのために尽くせること(クライアントが何を重要視しており、何に不安・不満を持っているかを察知できること。適正利益をいただいた上で、クライアントのために喜ばれる仕事に誠心誠意を尽くせるが真のプロフェッショナルでは。)
  4. バランス感覚を持っていること(夜中遅くまで働いても、自分の精神・肉体が元気でないと、つまらない見落とし等をして、クライアントに迷惑をかけてしまいます。また、金額的に重要でない論点について、必要以上に検討するなど、大局観を養う必要もあると思います。)
  5. 経験を積んでいること(税理士業は、資格を取得した時点で税理士としてやっていけますが、税務の世界は奥深いため、ある程度の見識を得るには、少なくとも5~10年の経験が必要かと考えています。)
大手税理士法人では、それぞれ長所を持った人達の姿勢等を学ぶことができ、貴重な経験になりました。

※①他の事に興味がいき、自己研鑽を怠ってしまう。②知ったかぶりをしていまい、誤魔化してしまう③追加業務を依頼すると、すぐに追加料金を請求する④遅くまで働いて、頑張った気になる

ようにならないように、自分を戒めながら、自己研鑽に励みたいと思います。

別の機会には、「できる調査官」について、私見を記載してみたいと思います。少し税理士とは違うのではないかと思います。