【コラム】大阪は商社(専門商社)の街

大阪には、専門商社といわれる業態の会社が多いです。お客様のところへ日勤しながら、お客様の困りごとを聞き出して、気の利いた提案をしながら、購買をしてもらうというビジネスモデルです(デパートの外商も近いと思います)。つまり、お客様が必要十分な情報を有していて、直接、メーカーから購入することができるのであれば、このようなビジネスモデルは不要となるわけです。商社にとって必要なのは、最新の情報を仕入れる力と、お客様の悩みごとを察知(洞察)して、気の利いた提案をできる能力となります。

税理士業にあてはめてみます。

会社や納税者が税務処理に迷っていて、どうずれば分からなくなった時に、税理士を頼りにすると思うのですが、税務にはグレーゾーンも多く、税理士によって答えが分かれるということも多々あります。そのような場合、税理士に求められるものは何でしょうか?それは、絶え間ない情報収集力・検討実績・他社事例によって裏付けられた情報量です。答えがでない場合であっても、世の中にあふれる情報の中から、困っている課題に関連する資料等を探してきて、適切に参考情報を提示する。そして、税務当局に認められないと指摘されるリスクが高いのか低いのかを他社事例から判断して、たとえ明確な答えが出ない場合であっても、より合理的な税務処理を選択できるように理論武装(理屈付け)を提案する。これこそが、専門家に求められる情報商社としての役割ではないかと思います。ある程度の地頭の良さは必要かと思いますが、それよりも大切なのは、適切に必要な情報を探し出せる検索力そして経験力です。また、クライアントが税務上の課題にぶち当たりそうな際に、事前に察知して必要な情報を事前に提供・提案してあげる洞察力かと思っています。そして、気の利いた専門商社としての役割を果たすためには「何でも屋ではだめ」で、特定分野の知識を高めておく必要があり、「専門」「特化」して、情報力を高めておく必要があるのです。

税理士に答えを聞くというスタンスから、情報を取るという風に変えてみると、満足のいく活用ができるかもしれません。

税理士の仕事も、記帳・申告業務の代行屋から、コンサル業に変化しています。(しかし、気の利いたAIが出てくると、これも変わるかもしれないですね)