移転価格ガイドブック~自発的な税務コンプライアンスの維持・向上に向けて~

国税庁より以下のガイドブックが出されました。移転価格文書を自社中心でご準備しようとされている企業には参考になりそうな文書サンプルが2点掲載されていますので、ご参考になると思います。

https://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2016/kakaku_guide/index.htm


移転価格文書化をご検討の方へ

移転価格文書化の検討をされている企業様は、まさに今、どこまで文書化をすべきか各コンサルから上がってきた見積書を検討されている頃ではないかと思います。

連結売上高1,000億円超でグローバル展開されている企業は、ローカルファイルに加えて、国別報告書・マスターファイルを作成する必要があり(日本基準)、今年の3月末までに親会社届出書をすでに提出済かと思います。そして、1年後の提出に向けて準備を進められていることかと思います。

一方、対応をどこまですべきか悩まれている企業は、上記以下の売上規模で関連者取引の金額規模からも本格的な移転価格調査の可能性は低いけれども、文書化の基準になっているケースではないでしょうか。移転価格の文書化を整備しておかないといざ税務調査の際に提出がなければ推定課税の対象となってしまい、多額の追徴課税を受けるリスクが生じるため、そのリスクを下げるために、できるだけ費用をかけずに最低限の文書化をしておきたいといったところかと思います。

私のおすすめは、移転価格の文書化を行うことありきではなく、これを契機として、国際税務に対応できる社内体制の整備(各部署間の連携など)、そして国際税務に関する税務調査に適切に対応する準備のきっかけとして利用していただくことが有用ではないかと考えております。したがって、税務コンサルを採用される際には文書化の作業のみならず、実際の税務調査の現場・社内体制の構築を一緒に考えながらサポートしてもらえるようなコンサルを選定するのが望ましいのではないかと思います(特に文書化という成果物ありきではなく、適切に税務調査に臨むためのアドバイスを行ってくれるかどうかが大切なポイントだと思います。つまり、税務調査で争点になりそうな重要な事項はしっかりと考慮(できれば国際税務全般【タックスヘイブン税制・所得税なども含めて】し、金額的にも影響が少ない論点はどんどん簡略化していくような実務対応力を持っているかどうか)。

特に過去の税務調査で関連者寄附金(出張費用の否認、較差補填金等)に関する追徴課税を受けたことのある企業様は、税務調査の現場でいかに説得力のある説明ができるかによって、税務調査の結果が大きく異なることをご認識されていることかと思います。当事務所ではそのようなケースでの理論サポート(アブセンスフィーの回収、較差補填、ロイヤルティの回収、貸付金利など)を中心にアドバイスしておりますので、ぜひ、一度お問い合わせいただければと思います。


短期間に繰り返して無申告又は仮装・隠蔽が行われた場合の加算税の加重措置の導入( 2017年~)

平成28年税制改正により導入されています。

https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/sonota/kasan.pdf

2017年1月1日以降に法定申告期限等が到来する国税等について、5年前に同一税目で無申告加算税又は重加算税を課されたことがある場合には、無申告加算税・重加算税が10%加重されるというものです。つまり、従来の重加算税35%が45%になるということになります。

実務的な感覚としては、単に加算税が10%アップすることによるキャッシュアウトよりも、国税当局から重加算税を繰り返す企業という見方(レッテル)をされてしまう方がデメリットが大きいように思います。平成29年1月1日以後に法定申告期限が到来する国税について適用されますので、くれぐれも気をつけておきたいところですね(最短で、平成28年9月期【申告期限延長法人から適用開始。)

また、重加算税の賦課要件は、何が仮装隠ぺいに該当するかなど、企業の税務担当者の方などにはわかりにくい点もあるため、身近な国税OBの方にアドバイスを求めるのもよいかもしれません。

https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/jimu-unei/hojin/000703-2/01.htm

(2016年12月、事務運営指針一部改訂)

https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/jimu-unei/hojin/kaisei/161201-3/01.htm

※タックスラボのツイッターアカウント@globaltaxlaboとともに、本年も情報発信頑張っていきたいと思います。

(ツイッターは時事ねた・ショートコメントなど、HPブログは税務に対する考え方・告知などを中心に発信したいと思っています)