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(書籍)「戦略コンサルタント」を読んで

(書籍)「戦略コンサルタント」(遠藤功氏、東洋経済)を読みました。当方の仕事と関連させながら読んでみたのですが、企業にとって変革の複雑さ・スピード感が高まっている昨今、企業変革の触媒の重要性がますます高まっているというところに興味を覚えました。私自身も、役所組織と大きな税理士法人で、約15~20年間ほど仕事をしていたわけですが、大きな組織を変化させることの困難さを感じていました。ほんとはもっとこうした方がいいのにと気づいていながら、自分の仕事をただ増やすのもイヤだ、上司は正当に評価してくれない、言っても無駄だというわけです。ここで外部の力を「触媒」として活用することにより、組織を動かすきっかけとする、内部の人では気づいていなかった重要な視点に気づかせる効果があるわけです。本来、企業の専門分野とは異なる外部のコンサルに費用を払って改革を行う(知恵を借りる)というのは、一見すると無駄なコストのように見えますが、それだけ得るものが多いからこそ、たくさんのコンサルティング会社が存在しているわけではないかと思います。(私自身も個別コンサルでは、必要に応じて、他社事例【セミナー・書籍等で得た情報を含む】を抽象化してご紹介することがあるのですが、改革というのも実は一定のパターン(事例)があって、それを最適に当てはめるだけで相当な効果があるのかと思います。)。その事例の蓄積の紹介がコンサルの価値の意義といえます。

私自身も、税務という一分野にはすぎませんが、みなさまの会社が良くなる触媒としての活躍ができればと思っています(私のセミナーを聞かれたご参加者は、自社にとって、どのように改革していけば良いのか理解されているはずです。問題は、それを実行できるかどうかです。)。国際税務は事前にきちんと備えておけば、税務調査での追徴課税は、数百万~1千万程度、無防備なら軽く億を超えることはしばしばです(もちろん規模感にもよります)。時代の変化についていけるかいなか、それは企業自身も、税務も同じです。

最後に、やはり物事を考え続けている人の考えを知るのは、大変参考になります。私も、そう評価していただけるように、日々精進あるのみです。


移転価格対応(キモは)

7月の税務セミナーでは、移転価格税制の勘所についてもご説明します。比較的、中小企業の皆様にとっては、移転価格税制は大企業の話で、自社には関係ないと思いがちですが、これからは海外子会社側で移転価格課税を受ける可能性が高まってきています。日本の税務当局が目をつける年間1億円の親子間取引の価格と、新興国の税務当局が目をつける年間1億円の取引、どちらがリスク高いでしょうか。

移転価格のコンセプトは、比較的、全世界共通で、日本と海外での理論武装(理屈付け)は一致させておく必要があります。以下の9ページから15ページあたりに概要が紹介されていますが、なかなか国際税務初歩者の方には、ハードルが高い(理解しにくい)コンセプトの税制となっています。ポイントは、粗利益率ではなく、営業利益率。(日本のみなさん、商売は通常、粗利で考えていますよね。でも、税制では営業利益が大切になります)https://www.meti.go.jp/policy/external_economy/toshi/kokusaisozei/kazeimondai/PDF/2014report_summary.pd

ぜひ、一度セミナーにご参加いただき、税制の要点(急所)を会得していただければと思っています。→「自社に関係ない(はず)と思って放置するか、制度を理解した上でリスクがあまり高くないので放置するかは大きく違います←これ重要です」


税務セミナーの講師を担当します(大阪商工会議所、7月8日)

テーマは、「国際税務調査実務対応セミナー」で、今年は6年目になります。毎回、常連でご参加いただいている企業様もあり、昨年は定員オーバーのご好評をいただきました。国際税務を初歩から解説するのではなく、どちらかというと税務調査で問題になる論点から逆算して解説するという実践的なセミナーである点がご好評をいただいるのではないかと思っております。本年も最新の準備をして臨みたいと考えておりますが、7月にはコロナ騒動が落ち着いていればよいですね。http://www.osaka.cci.or.jp/event/seminar/202004/D11200708016.html


納税通信への寄稿(移転価格税制等)

5月11日発売号の納税通信で、国際税務の初歩「移転価格税制と寄附金税制」について寄稿いたしました。

〇寄附金税制のポイントとしては、海外出張の目的で、親会社・子会社どちらのための出張であるかということを明確にし、きちんと自社のポリシーを作成して、説明できることが重要です(なんとなく税務調査の時に説明がつけば良いというものではなく、考え方を事前に整理して、その考え方に基づいて基準を作っておくと、説得力のある説明ができる←ポイント!)

〇移転価格税制のポイントとしては、「一般的に」、粗利ベースでの利益配分ではなく、営業利益ベースでの営業利益が重要な要素として考えることが大切です

売上 100 原価(仕入)△80 粗利20 ← 日本企業は、ここを重視しがち

営業費用(販売費・人件費)△15 営業利益5 ← 移転価格で重要なのはここ(グローバルな基準)

製造子会社や販売子会社で、研究開発や広告宣伝などの重要な機能を有する子会社は、営業費用を負担する分(機能・リスクを持っている分だけ)、単純な機能しか持たない子会社に比べて、営業利益が高くても問題ないことになります。

日本から見て、アジア子会社の営業利益率が、10%が妥当なのか、5%が妥当なのかは、子会社が有する役割(機能・リスク)がどうなのかという点と、同業他社の利益率が何%ぐらいなのか、移転価格のキモはこの分析になります。

〇余談

そして、グローバル企業の経理財務部門の人事評価の基準(KPI)には、営業利益5のさらに下の税金△2の後の、税引後当期利益3が重要視されます(昇進やボーナス査定の基礎)となる。経理財務部門の重要度や人材配置の厚さの違いは、このようなところにもよるところですが、日系企業もグローバル展開して、海外の人たちを評価していく必要性が高まってきたことからずいぶんと考え方は変わってきているようです。

 

 


節税スキームの出口戦略とは

世の中には、さまざまな節税商品等がありますが、航空機リース・米国不動産投資・キャプティブ保険・タワマン節税・節税保険・一般社団法人、広い意味では海外移住(海外のプライベートバンクの活用)などもあてはまるかもしれません。節税商品と税制改正による課税(節税封じ込み)は、常にセットで考える必要があります。

つまり、うまくいくという前提で節税を考えるのではなく、うまくいかなくなった場合にでもできるだけ損をしないための最新の注意が必要ということになります。例えば、税制改正で封じられた場合に、すぐに売却に切り替えたり、他に有効な手段に変更する臨機応変さが必要です(投資の世界で例えると、損切りがいかに重要かということ)。もちろんリスクをとらなければ、リターンを得ることはできませんので、決断力は必要です。税務専門家の中には、節税の提案をする力がない(知識不足)・節税は税理士が積極手に提案するべきではない・金融機関が提案するのはすべて金融機関のためで納税者に全くメリットがないといった偏った考え方をしている場合もあります(私も、すき間をついたようなセコい節税商品はあまり好きではありません)。

新聞紙上では、富裕層による節税案件の封じ込みなど誌面をにぎわすことがありますが、節税を勧められた時のコンサル業者(税理士を含む)が、税務調査の時にしっかりと納税者を守ってくれていたのかどうか、疑問に思うことがよくあります。節税とは、税務調査の時にしっかりと主張できる参謀を横におき、税務調査をクリアーして初めて効果があるというべきでしょう。いや、節税のつもりがなくても、グローバル化の経済社会で国際税務の世界に足を踏み入れ、思わぬ形で税務リスクは健在化するものです。当面の節税だけを考えるだけではなく、将来にわたってしっかりとクライアントをサポートできる税理士でありたいものです。常に税務調査の動向や国税の指針、財務省の動向などは気をつけておきたいと思っています。

(国際戦略トータルプラン)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kokusai/strategy/pdf/action_policy_201901.pdf

 


グループ通算制度の導入(連結納税制度からの移行)

国税庁より概要パンフレットが出ていますので、ご紹介を。https://www.nta.go.jp/publication/pamph/hojin/kaisei2020/pdf/01.pdf

企業の選択肢としては、以下のようなパターンが考えられます。

・【1】連結納税制度からグループ通算制度へ移行する(令和4年4月1日開始事象年度より)

・【2】連結納税制度から離脱する(令和4年3月末まで)

・【3】単体納税制度からグループ通算制度へ移行する(「1」と同様)

・【4】単体納税制度から、一旦連結納税制度へ加入し、グループ通算制度へ移行する(令和3年4月~連結納税、令和4年4月~グループ通算制度)

※【1】と【4】の違いは、親会社が有する欠損金に使用制限(SRLYルール)がかかるかどうかで大きな違いがあります

※3月決算法人の場合、【4】の適用を行うためには、令和2年12月末までに連結加入の届出をする必要がありますので、早期の検討が必要となります(具体的な有利不利検討においては、諸処の条件をきちんと検討する必要がありますので、早期の検討開始をおススメしております)。

 


当事務所のクライアント像

当事務所では、海外子会社を設立されて展開されている連結売上高500~1,500億円程度の比較的大規模法人をクライアント様を中心として活動しております(非上場企業や上場子会社が割と多い)。税務セミナーに出席され当方を知っていただいたケースや同業(会計士・弁護士を含む)からのご紹介が多いです。

ケースとしては、

・税務調査で国外関連者寄附の指摘(追徴課税)を受け、改善をしたいケース(出張費用・出向者較差補填・ロイヤルティ課税など)

・海外M&Aに関連して、タックスヘイブン対策税制・移転価格税制の対策等を検討されているケースや簡易DD等(メインは日本側の国際税務検討)

・グループ法人の税務リスクチェック・税務調査対応を中心としてコンプライアンス向上支援

・海外子会社が赤字体質のため、移転価格リスク等の回避のため手法の検討や、不正防止の仕組み等のコンプライアンス向上(海外子会社管理)のための検討

等をメインに活動しております。大手税理士法人さんが関与されるケースと比較して、よりハンズオン(実際に手を動かしたり、会議に出席したりして)、能動的に関与するケースが多いです。そして、長期間の継続したご関与を想定していることも特徴です(スタッフ任せにしない、担当者変更がない、外部顧問としては比較的若手のの部類【40代】)。税務調査の現場の肌間隔が分かるため、書籍を解説しただけのありきたりの回答ではない、気の利いたアドバイスができることも強みです。

また、最大の強みは、税務調査の際に、自ら立ち会ってより実践的な対応をできることではないかと考えています。また、顧問契約で2~3年度程度、ご関与させていただくと会社で認識していなかった節税ポイントやリスク等に気づき、大きなメリットのあるご提案をさせていただくことも多いです(気づいていない&重要な点こそが、大きなリスクかつメリット)。

・一番、やりがいがあり得意なケースは、税務調査で多額の指摘事項を受けてからのご関与で、ロジカルな反論・意見書作成により、修正申告等の額を劇的に下げることです(タイムチャージor成功報酬)。その後、継続的にご関与させていただくケースもあります。

(これからは、連結納税からグループ通算制度への移行【単体課税へ戻るかどうかの検討を含む】に関するサポート、審査請求・税務訴訟サポート、M&Aのサポートを強化しよう【する必要があり】と考えています)→またまだ専門家としての能力成長過程ですので、さまざまなセミナー参加や人脈交流等でスキルアップを図ったり、年間100万超の研究費(書籍・セミナー等)で知識・情報・スキルアップを心がけています。最大の投資は、記帳代行等の作業報酬をお断りして、長期のスキルアップのために時間を割くこと&緊急の税務調査対応に時間を割くための余裕を持つことです(スタッフを雇う必要がある事務所では、営業のための時間・入力のための時間・相見積の提案書作成等で非効率な部分があります。)

※個人の方は、基本的に顧問契約等をご遠慮させていただいておりますが、税務調査対応の緊急時のみ、関与税理士さん・弁護士さん等の紹介を受けて、支援することがあります。コンセプトとしては、困っている方を力強くサポートしたいという思いが強いですので、記帳代行・税務申告書等の作成やアグレッシブな節税(タックスプランニング)はご遠慮するか、顧問税理士様にお任せするケースが多いです。中~大規模の税理士事務所の社外顧問もすることがあります(専門家からの無料相談はお断りしております)。

最終的にご関与させていただくどうかの決め手は、フィーリングを重要視しておりまして、きちんとロジカルに考えることが好きな方(一から教えてではなく、専門家としてどう思いますか?と質問ができる方)、どちらかといえば心配性な方(きちんとリスクに向き合う)、国際資産等を有されていて残された家族が困らないようにきちんと対策されたい方等にご関与できればと考えております。(会計の入力作業が好きな人よりは、理屈を考えることが好きな人との相性が良い傾向にあります)

※歯医者さん選びと一緒で、外部からその専門家の能力を判断するのは、非常に難しい。初回無料相談・税務セミナーへのご参加・スポット契約等で、一度お試しいただくのが良いと思います。顧問契約ご提案の結果お断りは歓迎です。本当に困った時にお声かけいただければという方針です。

また、必要に応じて、それぞれのクライアント様のニーズに即した提携税理士・会計士・弁護士さんとの共同契約になるケースも多いです(全体の1/3ぐらい)。大手から独立して感じているのは独立した方がいろいろな人脈が広がり、かつ、その人たちの能力が分かるので、それぞれのクライアントのニーズに即した適切な人をご紹介できることです(ワンストップサービス方式の事務所は、便利な反面、すべてのそのサービスを買う必要性があります【高単価で、かつ外れ担当者リスク】。)


事務所来所に関するお願い

お世話になります。様々な会社で取り組みが始まっているコロナ対策の一つですが、当事務所といたしましてもできるだけ感染拡大防止にご協力したいとの観点も含めて、急な案件以外は、メール・お電話でのやりとりをお願いしております。

当事務所では、通常から税務相談については、できるだけメールでのやりとりを中心に活動しております。メールでのご相談のメリットとしては、相談に入る前に、さまざまな前提事項の整理や、関連する法令・通達・質疑応答事例をお互いが目を通しておくことで、有意義な検討ができることです(税理士とはいってもすべての税務について網羅して記憶しているわけではないので、関連する法規・通達等を思い出す作業ができるというのも、双方にとって一つのメリットです)(質問する側も文書にすることによって頭が整理できて、冷静に事実関係を分析することなども良い面です)。一方、社内セミナー・勉強会や、資産税対策などは面談しながら、ざっくばらんにお話しした方が良いかと思います。もちろん、顧問契約(前)開始時の面談や事務所説明などは、面談においてお話しして当事務所をご理解いただくためのご説明はしっかりとさせていただきますので、必要性に応じて、ご相談・判断させていただきたいと思います。税理士事務所や中小企業にとっても、さまざまなビジネスリスクマネージメントが必要な時代になってきました(税務ももちろんその一つです。事前対策が大切)。


大阪は商社(専門商社)の街

大阪には、専門商社といわれる業態の会社が多いです。お客様のところへ日勤しながら、お客様の困りごとを聞き出して、気の利いた提案をしながら、購買をしてもらうというビジネスモデルです(デパートの外商も近いと思います)。つまり、お客様が必要十分な情報を有していて、直接、メーカーから購入することができるのであれば、このようなビジネスモデルは不要となるわけです。商社にとって必要なのは、最新の情報を仕入れる力と、お客様の悩みごとを察知(洞察)して、気の利いた提案をできる能力となります。

税理士業にあてはめてみます。

会社や納税者が税務処理に迷っていて、どうずれば分からなくなった時に、税理士を頼りにすると思うのですが、税務にはグレーゾーンも多く、税理士によって答えが分かれるということも多々あります。そのような場合、税理士に求められるものは何でしょうか?それは、絶え間ない情報収集力・検討実績・他社事例によって裏付けられた情報量です。答えがでない場合であっても、世の中にあふれる情報の中から、困っている課題に関連する資料等を探してきて、適切に参考情報を提示する。そして、税務当局に認められないと指摘されるリスクが高いのか低いのかを他社事例から判断して、たとえ明確な答えが出ない場合であっても、より合理的な税務処理を選択できるように理論武装(理屈付け)を提案する。これこそが、専門家に求められる情報商社としての役割ではないかと思います。ある程度の地頭の良さは必要かと思いますが、それよりも大切なのは、適切に必要な情報を探し出せる検索力そして経験力です。また、クライアントが税務上の課題にぶち当たりそうな際に、事前に察知して必要な情報を事前に提供・提案してあげる洞察力かと思っています。そして、気の利いた専門商社としての役割を果たすためには「何でも屋ではだめ」で、特定分野の知識を高めておく必要があり、「専門」「特化」して、情報力を高めておく必要があるのです。

税理士に答えを聞くというスタンスから、情報を取るという風に変えてみると、満足のいく活用ができるかもしれません。

税理士の仕事も、記帳・申告業務の代行屋から、コンサル業に変化しています。(しかし、気の利いたAIが出てくると、これも変わるかもしれないですね)