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ニュースレターの発行(2020年8月)

今月号のテーマは、

・国外取引等の課税に係る更正決定等の期間制限の見直し
・クロスボーダー型出資の適格性をめぐる地裁判決
です。
皆様のおかげで、多忙な日々となっている昨今、毎月のニュースレター送付とホットな税務情報の
提供が遅れぎみですが、こつこつとお送りしていきたいと思います。
 


異動日(7月10日)→新事務年度

7月10日は、国税局の人事異動の日であり、その日から新しい新事務年度が開始されます。コロナの影響でストップしていた税務調査が再開されるような例も出てきているようです。国際税務の対応は、自社や関与税理士様としっかりと事前準備して対応していただきたいところですが、税務調査では思わぬ指摘を受けて困られることも少なくないでしょう(富裕層などの個人の方も同じ)

税務調査で適正に対応を行うためには、国税側の思考や調査プロセスをきっちりと理解しておくことが重要です。関与クライアントの会社様には、その点を意識しながらきっちりと準備しているため、備えは万全です。関与クライアント様の税務調査では、普段の当方のアドバイスの成果が試される場ともいえるため、低価格の完全タイムチャージでご支援しています。最優先で対応。

一方、これまでご関与がなく、税務調査で困られた状況になってから当方を知っていただいてご支援依頼いただくようなケースでは、最初にある程度の着手金をいただき、状況をきっちりと時間をかけて把握したうえで、適切な対応を行います。これから、夏~秋にかけて、税務調査の最盛期となりますが、当社が緊急でご支援することが必要であれば、また適宜ご連絡いただければと思います。

税務調査は、病気と一緒で、税務の不準備(グレーゾーンの未把握など)は突然表面化します。備えあれば憂いなし。困った時に、きっちりと頼れるようなプロフェッショナルを、複数抱えておき、必要に応じて使い分けていただくような時代です。


税務セミナーを終えて

ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。すべての論点を網羅的に説明することはできませんでしたが、税務に向き合う姿勢やポイントなどを参考にしていただけましたら、幸いです。複雑化する税務に対応するため、一般税務・特殊税務・税務調査対応・組織再編(M&A)のように異なる分野の個人税理士を使い分けていただくような企業が増えてきています。ちょうどたとえでご説明したサッカーのように、監督だけではなく、フィジカルコーチ・テクニカルコーチ・キーパーコーチなど、それぞれの役割を各専門家に委託して、監督はその総合判断を行う役割になってきています。ぜひ、企業の担当者は各専門家を上手に使いこなす役割を習得していただいたり(目利きを含む)、各事業部に指示・サポートを行う役割を担っていただき、国際化対応に臨んでいただけましたら幸いです。中小企業の社長さんが顧問税理士さんに事業承継の問題をよろず相談するように、中大企業のみなさまも国際化対応を外部のコンサルと相談しながら、進めていく時代なのかなと思っています。(外部コンサルの活用は、コストではなく投資です。適切に見極めて力を発揮させた際には、多大なリターンをもたらすことができるでしょう)。

数字を作る役割から、ポリシーを作る役割へ!ぜひ。


(書籍)「戦略コンサルタント」を読んで

(書籍)「戦略コンサルタント」(遠藤功氏、東洋経済)を読みました。当方の仕事と関連させながら読んでみたのですが、企業にとって変革の複雑さ・スピード感が高まっている昨今、企業変革の触媒の重要性がますます高まっているというところに興味を覚えました。私自身も、役所組織と大きな税理士法人で、約15~20年間ほど仕事をしていたわけですが、大きな組織を変化させることの困難さを感じていました。ほんとはもっとこうした方がいいのにと気づいていながら、自分の仕事をただ増やすのもイヤだ、上司は正当に評価してくれない、言っても無駄だというわけです。ここで外部の力を「触媒」として活用することにより、組織を動かすきっかけとする、内部の人では気づいていなかった重要な視点に気づかせる効果があるわけです。本来、企業の専門分野とは異なる外部のコンサルに費用を払って改革を行う(知恵を借りる)というのは、一見すると無駄なコストのように見えますが、それだけ得るものが多いからこそ、たくさんのコンサルティング会社が存在しているわけではないかと思います。(私自身も個別コンサルでは、必要に応じて、他社事例【セミナー・書籍等で得た情報を含む】を抽象化してご紹介することがあるのですが、改革というのも実は一定のパターン(事例)があって、それを最適に当てはめるだけで相当な効果があるのかと思います。)。その事例の蓄積の紹介がコンサルの価値の意義といえます。

私自身も、税務という一分野にはすぎませんが、みなさまの会社が良くなる触媒としての活躍ができればと思っています(私のセミナーを聞かれたご参加者は、自社にとって、どのように改革していけば良いのか理解されているはずです。問題は、それを実行できるかどうかです。)。国際税務は事前にきちんと備えておけば、税務調査での追徴課税は、数百万~1千万程度、無防備なら軽く億を超えることはしばしばです(もちろん規模感にもよります)。時代の変化についていけるかいなか、それは企業自身も、税務も同じです。

最後に、やはり物事を考え続けている人の考えを知るのは、大変参考になります。私も、そう評価していただけるように、日々精進あるのみです。


移転価格対応(キモは)

7月の税務セミナーでは、移転価格税制の勘所についてもご説明します。比較的、中小企業の皆様にとっては、移転価格税制は大企業の話で、自社には関係ないと思いがちですが、これからは海外子会社側で移転価格課税を受ける可能性が高まってきています。日本の税務当局が目をつける年間1億円の親子間取引の価格と、新興国の税務当局が目をつける年間1億円の取引、どちらがリスク高いでしょうか。

移転価格のコンセプトは、比較的、全世界共通で、日本と海外での理論武装(理屈付け)は一致させておく必要があります。以下の9ページから15ページあたりに概要が紹介されていますが、なかなか国際税務初歩者の方には、ハードルが高い(理解しにくい)コンセプトの税制となっています。ポイントは、粗利益率ではなく、営業利益率。(日本のみなさん、商売は通常、粗利で考えていますよね。でも、税制では営業利益が大切になります)https://www.meti.go.jp/policy/external_economy/toshi/kokusaisozei/kazeimondai/PDF/2014report_summary.pd

ぜひ、一度セミナーにご参加いただき、税制の要点(急所)を会得していただければと思っています。→「自社に関係ない(はず)と思って放置するか、制度を理解した上でリスクがあまり高くないので放置するかは大きく違います←これ重要です」


税務セミナーの講師を担当します(大阪商工会議所、7月8日)

テーマは、「国際税務調査実務対応セミナー」で、今年は6年目になります。毎回、常連でご参加いただいている企業様もあり、昨年は定員オーバーのご好評をいただきました。国際税務を初歩から解説するのではなく、どちらかというと税務調査で問題になる論点から逆算して解説するという実践的なセミナーである点がご好評をいただいるのではないかと思っております。本年も最新の準備をして臨みたいと考えておりますが、7月にはコロナ騒動が落ち着いていればよいですね。http://www.osaka.cci.or.jp/event/seminar/202004/D11200708016.html


納税通信への寄稿(移転価格税制等)

5月11日発売号の納税通信で、国際税務の初歩「移転価格税制と寄附金税制」について寄稿いたしました。

〇寄附金税制のポイントとしては、海外出張の目的で、親会社・子会社どちらのための出張であるかということを明確にし、きちんと自社のポリシーを作成して、説明できることが重要です(なんとなく税務調査の時に説明がつけば良いというものではなく、考え方を事前に整理して、その考え方に基づいて基準を作っておくと、説得力のある説明ができる←ポイント!)

〇移転価格税制のポイントとしては、「一般的に」、粗利ベースでの利益配分ではなく、営業利益ベースでの営業利益が重要な要素として考えることが大切です

売上 100 原価(仕入)△80 粗利20 ← 日本企業は、ここを重視しがち

営業費用(販売費・人件費)△15 営業利益5 ← 移転価格で重要なのはここ(グローバルな基準)

製造子会社や販売子会社で、研究開発や広告宣伝などの重要な機能を有する子会社は、営業費用を負担する分(機能・リスクを持っている分だけ)、単純な機能しか持たない子会社に比べて、営業利益が高くても問題ないことになります。

日本から見て、アジア子会社の営業利益率が、10%が妥当なのか、5%が妥当なのかは、子会社が有する役割(機能・リスク)がどうなのかという点と、同業他社の利益率が何%ぐらいなのか、移転価格のキモはこの分析になります。

〇余談

そして、グローバル企業の経理財務部門の人事評価の基準(KPI)には、営業利益5のさらに下の税金△2の後の、税引後当期利益3が重要視されます(昇進やボーナス査定の基礎)となる。経理財務部門の重要度や人材配置の厚さの違いは、このようなところにもよるところですが、日系企業もグローバル展開して、海外の人たちを評価していく必要性が高まってきたことからずいぶんと考え方は変わってきているようです。

 

 


節税スキームの出口戦略とは

世の中には、さまざまな節税商品等がありますが、航空機リース・米国不動産投資・キャプティブ保険・タワマン節税・節税保険・一般社団法人、広い意味では海外移住(海外のプライベートバンクの活用)などもあてはまるかもしれません。節税商品と税制改正による課税(節税封じ込み)は、常にセットで考える必要があります。

つまり、うまくいくという前提で節税を考えるのではなく、うまくいかなくなった場合にでもできるだけ損をしないための最新の注意が必要ということになります。例えば、税制改正で封じられた場合に、すぐに売却に切り替えたり、他に有効な手段に変更する臨機応変さが必要です(投資の世界で例えると、損切りがいかに重要かということ)。もちろんリスクをとらなければ、リターンを得ることはできませんので、決断力は必要です。税務専門家の中には、節税の提案をする力がない(知識不足)・節税は税理士が積極手に提案するべきではない・金融機関が提案するのはすべて金融機関のためで納税者に全くメリットがないといった偏った考え方をしている場合もあります(私も、すき間をついたようなセコい節税商品はあまり好きではありません)。

新聞紙上では、富裕層による節税案件の封じ込みなど誌面をにぎわすことがありますが、節税を勧められた時のコンサル業者(税理士を含む)が、税務調査の時にしっかりと納税者を守ってくれていたのかどうか、疑問に思うことがよくあります。節税とは、税務調査の時にしっかりと主張できる参謀を横におき、税務調査をクリアーして初めて効果があるというべきでしょう。いや、節税のつもりがなくても、グローバル化の経済社会で国際税務の世界に足を踏み入れ、思わぬ形で税務リスクは健在化するものです。当面の節税だけを考えるだけではなく、将来にわたってしっかりとクライアントをサポートできる税理士でありたいものです。常に税務調査の動向や国税の指針、財務省の動向などは気をつけておきたいと思っています。

(国際戦略トータルプラン)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kokusai/strategy/pdf/action_policy_201901.pdf