法人税の調査事績(発表報道より)

今月、大阪国税局より法人調査事績の発表がありました。特徴的なのは、実地調査件数が前年度対比約90%でということで、調査件数の減少が見られていることです。これは改正国税通則法の影響で、調査手続きの厳密化等により内部手続きが増加したことによる影響があるものと思われます。
https://www.nta.go.jp/osaka/kohyo/press/hodo/h26/chosa_jiseki/01.htm
ただ国税当局としても税務調査がゆるくなったという印象を持たれることは、望んでいないと思われますので、今事務年度以降、税務調査の件数が通常どおりに戻っていくものと予想されます。実際に、本年7月以降活発に調査が行われている様子がうかがえます。
また、法人税の非違があったのは調査件数のうちの約7割ということで、調査があれば7割はなんらかの修正申告が発生していることになります(3割のうちには、他の税目「消費税・源泉所得税・印紙税」の非違がある場合も含まれます。)。

以前、調査実務の経験をしていた者からの感想とすると、対前年の数値等にこだわらず「悪質な納税者に対しては厳正な調査を、きっちりとコンプライアンスの意識が高い納税者に対しては指導を中心とした穏やかな税務調査を行う」のが、国民感情に合致する(社会から期待されている)のではないかと思います。
更正割合等の係数にこだわり、安易な期間損益(売上繰延や棚卸計上漏れ)で税務調査を終わらせるのではなく、やるべきことをきっちりと行うのが税務調査官の務めではないかと考えております。


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