カテゴリー別アーカイブ: 未分類

富裕層に対する税理士の役割

税理士の役割は、税務申告書の作成を代理することや節税提案をすることだと思われがちです。一方、重要な役割として、納税者の安定した生活を守るためのアドバイスをする役割もあると思います。富裕層には、節税商品を売り込んでくる金融機関、節税スキームを売り込んでくるブローカー(税務専門家も含む)、節税のために海外移住を進めてくる専門家などです。しかしたとえ、節税ができて多少のお金が残ったからといって、本当に心が幸せなのかどうかは分かりません(天国にお金は持っていけないですね)

重要なのは、安定した生活(特に現役を引退してから)を守ることと、悩みごとがある時に安心して信頼できる家族・各専門家が近くにいることではないでしょうか。

国際税務の世界でいえば、

・海外のプライベートバンクに金融資産を移動させて、節税を図る(相続税・所得税)→CRSが導入されて海外の預金も国税当局に把握されるように改正されました。また、海外預金を残したまま相続を迎えると、残された家族も相続手続きが大変で、場合によってはプロベード手続きで多額の相続コストがかかります。また、海外資産には、為替リスクやカントリーリスクがつきものです。

・税理士法人の勧めにより、海外を利用した節税スキームを利用した→税務調査で目をつけられ、税務訴訟にまで至った。結果は、勝ち負けあるものの、その調査対応にかける時間・コストは多額になった。専門家が儲けただけの場合も。

・事業承継税制を勧められ、申請手続きをしたものの、数多くの要件にしばられ、事業上の制約やM&Aの検討に支障をきたしている。税制とはあくまでもその時点での制度であり、常に税制改正リスクがある(資産税は特に、影響が将来に出てから生じるので、リスクが大きい)

・航空機リース、米国中古不動産、タワマン節税、太陽光発電、節税保険、キャプティブ節税、一般社団法人など節税スキームと税制改正は常においかけっこである。節税スキームが出た当初はうまみがあるかもしれないのが、長く続くものではない。

要は、目先の節税だけを追うのではなく、長期間にわたって安定した生活を送るための正しい目利きが重要なのです。税理士の役割は、納税者本人がなんとなく感じているけどきちんと判断ができていない税金問題について、客観的な見方・視野・情報で正しく後押ししてあげることで、正確な判断をさせてあげることと、それを実行するためのサポートをすることです。(人間は思いこむ性質があります。将棋のAIのように、客観的な分析を自身の判断に生かして、正しい判断をできるように工夫するのが、人類の知恵です)。そして、コンサルタントには、経験や知識に基づき、将来の状況(税制改正の方向性)を正しく先見する力も必要です。

※しかし、経験上、会社や富裕層に正しいアドバイス(節税)や提案を行っていない顧問税理士も数多く目にします(本当に会社や納税者のことを考えているのであれば、定期的なアイデアの提案は必要でしょう)。本当は、きちんと国際税務の対応をしないといけない状況なのに、適当なネット情報でごまかしたり、適切な専門家を紹介することを怠っている。要因は勉強不足・情報不足かと思いますが、経営者は税理士やコンサルを正しく見抜く、目利き力も必要です。(かかりつけ医として、よろず相談に応じるのは当然の役割ですが、自分の力に負えない症状を発見した時は、その分野の専門医を紹介するのが、当然の専門家倫理です。私もそのように心掛けており、専門外の依頼が来た時は、他の専門家を紹介したり、ジョイント提案したりしています)

※専門家の報酬を値切れば値切るほど、当然、サービスの質は悪くなります。大切なのは、報酬は成果に応じて、きちんと支払うことです。安くて良いものは、世の中にありませんね。(私は、100円均一の回転寿司チェーンでもなく、銀座(新地)の数万円でもなく、路地裏の5~10千円ぐらいの小さいお店で繁盛しているところが好きです。そんな感じです、笑)

(税務専門家を検討・活用する際のお勧め本)

・一般の方向け 「税理士に顧問料を払う本当の理由(なぜあなたの税理士は何もしれくれないのか?」(山下健一)

・税理士のための百か条シリーズ(関根稔)

 

 


令和2年3月期税務申告書レビュー業務

本年も、スポットでの業務を数社限定で承っております。

特に、改正タックスヘイブン税制によって、税務申告書別表は大きく変わっておりますので、どのように記載してよいのか分からない、どのように子会社から情報を取っていいのか分からないなど、お困りになられている企業様向けにお勧めです(税務署に確認しようとしても、専門分野については、すべての署員が理解しているわけでないため、多くの場合、適当な回答で濁されてしまうケースが多いようです。また、企業に有利な取り扱いについて、アドバイスを受けることもできません)。税務セミナーに参加して、税制の大枠は理解できたけれど、細かい部分がどうしても判断できない場合などにお勧めです。コンサルを受けるメリットは、当然、正しい申告書を作成することが第一目的ですが、それ以外にも、税務調査でよく論点になる点の把握や、付随して把握できるタックスプランニング(節税)の検討などができることです。一般的な税務分野と異なり、国際税務・組織再編税制(M&Aを含む)・事業承継対策等は信頼できる外部専門家と共同しながら、粘り強く長期間にわたって検討を進めていくことが大切です。大きな会計事務所と契約するのも有効ですが、独立系の比較的若い税理士を見つけて、長期的な視野で、ある種企業内の一員として、一緒に課題に取り組んでいくのも悪くないと思います。

料金等は、こちらをご参考にしてください。http://yawatax.com/?p=461

(当事務所では、税務調査の対応を最優先しておりますので、期間や費用については、当方側から個別にご相談させていただくこともございます。ご理解いただけますと幸いです。)

 

【余談】

税務処理についての検討や税務調査での適切な主張については、納税者側の理屈を主張するだけでなく、当局側の視点(考え方)をいかに適切につかんだうえで主張できるかが、もっとも大切なポイントです。下記、コラムの「将棋三手の読みにおける相手二手目の重要性」が最も大切です。税務検討・税務調査対応・ビジネス、どんな場合でも、相手の考え方・価値観に寄り添って、思考を柔(ヤワ)らかくするのが重要です(ヤワタックスのポリシー)。

http://yawatax.com/?p=490

 


週刊ダイヤモンド目次

週刊ダイヤモンドへの寄稿

2月3日発売号に「後継者難に苦しむ中小企業の事業承継海外企業とのM&Aも選択肢」のテーマで寄稿しています。時代は、事業承継からM&Aの時代、そして国際化の時代。国際化の時代に即したM&Aの方法や注意点について、少し解説しています。ご参考に。 

http://dw.diamond.ne.jp/articles/-/28622

(日本企業が海外企業を買収する際の注意点:アウトバウンド取引)

・日本のタックスヘイブン対策税制、租税条約、(現地)欠損金の制限、事業譲渡類似株式等の有無等

(外国企業が日本企業を買収する際の注意点:インバウンド取引)

・租税条約、欠損金の制限(欠損等法人)、事業譲渡類似株式の有無、不動産化体株式等が挙げられます。

株式譲渡か事業譲渡の比較では、キャピタルゲイン税制やのれん償却の有無も重要なポイントになります。税務以外には、業種によって外資規制(ネガティブリスト)などの適否も重要なポイントになります。

海外企業を買収する場合には、タックスヘイブン税制も関連してきますので、その論点については、2月中旬の税務セミナーで解説します。よろしければ、ご参加ください。

 


税制改正(海外財産の関連書類の提示義務)

国税庁等の職員から国外財産調書に記載すべき国外財産の取得等に係る書類の提示又提出を求められた場合、当該職員が指定する日(求められた日から60 日を超えな い範囲内)までにその提示又提出をしなかったとき(その者の責めに帰すべき事由が ない場合を除く。)における加算税について、加重措置(ペナルティの割り増し等)が導入されることが予定されています。 CRSの導入・拡大とともに、国外財産に関する税務調査が積極化していますが、将来の税務調査に備える意味も含めて、関連資料の収集及び事前の顧問税理士への相談をすすめておきましょう(海外の口座が生きているうちにステートメントや商品概要、口座間の送金の動き等をきちんと収集しておく)。海外では、口座を解約してから(投資を引きあげてから)、税務調査が入り、取引履歴の提出を依頼すると、莫大な費用と時間がかかるケースがあります。

また、国外財産を残したまま相続が発生すると、現地での相続手続き等煩雑になるケースが多いですので(米国などプロベートの対象となった場合には、時間・費用がかなりかかります)、事前の準備をお勧めしております。

顧問税理士さんが国際税務に不慣れなケースでは、税務調査対応や事前対策等で、当方や関連コンサルがサポートするようなケースもふえてきていますので、お気軽にご相談ください。経験上、個人納税者に関する税務調査は、法人税の調査と比較して、以下のような傾向が強い印象を持っていますので(ケースバイケースですが)、よりサポート役の税理士によって、結果が大きくことなる印象です。(※顧問税理士さんの役割を否定・批判しているのではなく、税制が複雑化している昨今、国際課税など特殊な環境にある納税者や企業にとっては、その分野の専門家を使い分ける必要があると思います。かかりつけ医と専門医を使いわけるように)

・法人に比べて、関連書類等の数が少ないため、問題事項を大きく指摘して、交渉(ネゴシエーション)で決着をつけようとするケースが比較的多い

・国税内で十分な法令審査ができておらず、無理なロジックに基づき追徴課税を勧奨するケースもある

もちろん、納税者サイドの勝手な(法令)解釈による主張は無理が多いこともありますので、その際は専門家である税理士がその主張の妥当性や事例・判例などを検証しながら、税務当局を納得させることができる理論を十分に検討したうえで、適切な主張を行います。適切な主張を行うためには専門家任せにするのではなく、適切な専門分野の理解と証拠収集(事実確認)も大切になってきます。納税者と専門家の信頼関係が最大のポイントです。http://yawatax.com/?p=1215

 


納税通信に寄稿しました

「資産フライト・監視体制がさらに強化」という題で寄稿しています。税制改正大綱によって明らかになった米国中古不動産の規制やCRSの導入による税務調査などについて、記しています。

 

 

image1 (2)

 


税務セミナーの講師を担当します(大阪商工会議所、2月19日)

http://www.osaka.cci.or.jp/event/seminar/201912/D11200219017.html

外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制)について、解説を行います。

平成29年税制改正によって大きく改正された内容が、通常のケースであれば、来期3月決算(令和2年3月決算)からスタートになりますので、決算前・申告前のファイナルチェックとしてご活用ください。また、実務上企業のみなさまが疑問に持たれているだろうな、という点について解説を行いますので、しっかりと税制の仕組みを理解されたい方も是非、ご受講ください。

税法は一定のルールですが、そこに規定するルールにはそれぞれ意味があり、その意味や趣旨を理解したうえで、税務処理の判断・別表作成を行わないと、理解不足や思わぬ勘違いで多額の追徴課税を受けたりするケースをよく見受けることがあります。ぜひ、実際の作業に入る前に、制度の理解を進めておくことをおススメいたします。

お待ちしております。

(平成29年税制改正の概要)https://www.meti.go.jp/policy/external_economy/toshi/kokusaisozei/cfc/PDF/170822_cfc.pdf

 


税務調査で指摘を受けてからのご支援

最近、同業の税理士さん・弁護士さんからご依頼があるケースは、ほとんどが指摘を受けてからの納税者主張(反論)に関するご支援です。特に近年複雑化している国際税務の対応では、難解な論点であるケースも多く、既存の税理士さんが十分な主張をできていないケースなどが多々あり、そのようなケースで税務調査対応のプロとして、途中から関与させていただくケースが多いです。(税務当局には、税務代理権限証書を適宜提出することにより、スムーズに関与を始めることができます)

・海外子会社との取引について、寄附金課税の指摘を受けた(出向者費用、ロイヤルティ収受など)

・タックスヘイブン税制について、適用除外を満たさないと指摘を受けた

・PE課税について、日本で恒久的施設を有していると指摘を受けた

どれも税額ベースで、1千万円以上の追徴税額の指摘でしたが、効果的な主張・交渉によって、

1/3以下の決着となり、納得して終結(修正申告)することになりました。

※ここで重要なのは、単に追徴税額が下がっただけではなく、納得して修正申告していること(理屈が納得できるものである)・翌期以降に正しく是正できる方向で修正事項を確認していること、です

※また、単に理論的な説明ができれば良いというものではなく、調査官が納得できるような理論(説明ぶりを含む)ができていないと、効果的ではないということです。(このコツをつかむのはなかなか難しいですが、普段の顧問契約における税務相談においても、論点について調査官はどのようにとらえるか、という視点を意識して回答しています)

本来、事前の準備が十分にできていれば指摘を受けることもなく税務リスクをコントロールすることができたはずですが、リスクが顕在化していないと、なかなか外部の税務コンサル(顧問税理士以外)と契約をするまでには、社内稟議等が難しいという事情は多々あります。

このようなケースでも、顧問税理士さんと協力しながら、適切な主張のご支援をしており喜ばれているケースが続き、当方としても非常にやりがいを感じております。(申告業務等は積極的に行っていないため、顧問税理士さんにも安心して、お声かけいただいております)

このようなサービスで、医業の分野でいう専門クリニック(例えば糖尿病専門外来・末期がん治療専門など)のような位置づけで、「困ったらヤワタックスだ!」と言っていただけるように、こつこつと頑張っていきたいと考えております。


お盆休み(8月13日~15日)

8月13日(火)~15(木)まで、夏季休業とさせていただきます。

8月16日(金)より、業務を開始しますので、ご連絡はお問合せ窓口にてご連絡入れておいていただけますと幸いです。

(税務調査への対応など緊急対応につきましては、随時対応可能です)

どうぞ、よろしくお願いします。

八幡谷


税務に関するコーポレートガバナンスの充実に向けた取組(調査課所管)

大企業を中心に、税務CGの向上取り組み事例が増加してきています。きちんと税務ガバナンスを整えている企業には、税務調査周期の延長や・調査期間の短縮など、大きなメリットが与えられています(平成29事務年度では、90社の法人が調査間隔の延長認定を受けています)。これまで親会社と子会社がばらばらに税務対応していた企業も多いですが、今後は親会社手動のガバナンス向上に関する取り組みが重要になってくると思います(連結納税制度の大きな改正も検討が始まっているようです)。これは、国内企業グループのみならず、国際税務対応においても海外子会社の管理業務が重要になってきています(移転価格対応・海外不正対応など)。本年6月にも、国税庁HPにおいて、税務CG取り組みに関するページがアップデートされています。財務・経理部門のみなさまも待ちの業務ではなく、積極的にガバナンス対応を行う必要が迫られています。https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/shinkoku/hojin/sanko/cg.htm