(書籍)「戦略コンサルタント」を読んで

(書籍)「戦略コンサルタント」(遠藤功氏、東洋経済)を読みました。当方の仕事と関連させながら読んでみたのですが、企業にとって変革の複雑さ・スピード感が高まっている昨今、企業変革の触媒の重要性がますます高まっているというところに興味を覚えました。私自身も、役所組織と大きな税理士法人で、約15~20年間ほど仕事をしていたわけですが、大きな組織を変化させることの困難さを感じていました。ほんとはもっとこうした方がいいのにと気づいていながら、自分の仕事をただ増やすのもイヤだ、上司は正当に評価してくれない、言っても無駄だというわけです。ここで外部の力を「触媒」として活用することにより、組織を動かすきっかけとする、内部の人では気づいていなかった重要な視点に気づかせる効果があるわけです。本来、企業の専門分野とは異なる外部のコンサルに費用を払って改革を行う(知恵を借りる)というのは、一見すると無駄なコストのように見えますが、それだけ得るものが多いからこそ、たくさんのコンサルティング会社が存在しているわけではないかと思います。(私自身も個別コンサルでは、必要に応じて、他社事例【セミナー・書籍等で得た情報を含む】を抽象化してご紹介することがあるのですが、改革というのも実は一定のパターン(事例)があって、それを最適に当てはめるだけで相当な効果があるのかと思います。)。その事例の蓄積の紹介がコンサルの価値の意義といえます。

私自身も、税務という一分野にはすぎませんが、みなさまの会社が良くなる触媒としての活躍ができればと思っています(私のセミナーを聞かれたご参加者は、自社にとって、どのように改革していけば良いのか理解されているはずです。問題は、それを実行できるかどうかです。)。国際税務は事前にきちんと備えておけば、税務調査での追徴課税は、数百万~1千万程度、無防備なら軽く億を超えることはしばしばです(もちろん規模感にもよります)。時代の変化についていけるかいなか、それは企業自身も、税務も同じです。

最後に、やはり物事を考え続けている人の考えを知るのは、大変参考になります。私も、そう評価していただけるように、日々精進あるのみです。