超富裕層への管理体制(税務通信No3372・3376)

超富裕層に対する管理体制が、税務通信で特集されています(No3372及び3376)。「課税上の問題が想定され調査企画の着手が相当と認めれれる者」については、区分Aとして管理され、調査企画を経て深度ある調査が行われるものとされています。また、この深度ある調査では、租税条約に基づく情報交換等を活用した調査が行われる可能性が高いため、税務調査が長期間に及ぶことが想定されます。過度なタックスプランニングを活用して相続税等を軽減している富裕層のケース、海外での資産運用・海外への資産回避等を通じてタックスプランニングを行っているような富裕層のケースが対象になる可能性が高いと思われます。

国税局の組織において、個人に対する深度ある調査は、課税部統括国税実査官や課税部資料調査課が行うケースが多いため、税務調査の事前通知(事前連絡)が、これらの部署から行われた場合(税務署から連絡があった場合で、資料調査課の職員も調査に同行する旨の連絡があった場合を含む)には、従来の税務調査と比較してより厳しい調査が行われる可能性が高いことが想定され、調査過程において適切なタイミングで反論書(ポジションペーパー)を提出することが有効で、専門の税理士又は訴訟対応に長じた法律事務所を関与されるなど税務訴訟等まで想定した慎重な調査対応が望ましいと思われます。

また、このような管理体制の強化がされている状況下においては、当初から適切に納税申告を行った方が結果的に有利になることが想定されますので、事前の国税当局への事前照会による税務判断や自主的な修正申告を検討されることをお勧めしております(加算税等の軽減制度もあり)。


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