12月の日税ビジネス研修については、1月にライブラリーにアップデートされると思います。すでに会場及びリアルタイムでご参加いただいた皆様ありがとうございました。
偶然ですが、12月18日に発表された税制改正大綱で、「企業グループ間の取引に係る書類保存の特例の創設」制度(P100~)が発表されており、関連者とは移転価格税制における関連者と同様の基準により判定するとされていることから、おそらくこの制度も移転価格における役務提供取引の算定基準と同じようなルールが導入される可能性が高いと予測しています(移転価格は事務運営要領(通達)、今回は法令ベースということで、相違点が生じる可能性もあります)
研修の案内で、「移転価格の計算方法が国内取引の親子間取引【経営指導料・業務委託費】の計算方法として類推適用)」という説明をしていましたが、まさに課税の実務が先行している点を制度が後押しした形になったといえます(偶然、このような制度が導入される可能性が高い点を予測したことになったのかもしれません)。
「書類の保存が法令の定めに従って行われていないことは青色申告の取消事由等になる」という表現は少し厳しく書いているような気もしますが、今後、国内取引でもホールディング会社に経営指導料等を払っているようなケースでは、十分に準備・注意が必要でしょう(令和8年4月1日適用開始)※制度設計時にHDに対する「収益づけ」をどのように設計するかがより重要となる
ただし、講演内でも説明したように、海外子会社に対する寄附は全額損金不算入、国内の完全支配関係内取引では、益金不算入となるため(受け手にマイナスの影響がある可能性がある)、現実の税務調査でどこまで争点になるかは未知数の部分も大きいと思っています。状況に応じて、適切な対応が求められ、かつサポートする専門家にも一定のスキル・経験値が必要になる論点の一つかと思われます
※経営指導料が争点になった平成12年2月3日の地裁判決(地裁判決とは判例ではない)がよく引用されますが、「外資系の事案である」、「外資系はえてして対価の根拠資料を子会社側に開示しないケースが多い」、「移転価格的な観点で課税を受けた可能性がある」(国内法人は黒字?赤字?)など、特異なケースである可能性があるため、そのまま国内取引の参考になるのかやや疑問です。課税(指摘を受けたパターン・回避したパターン)としては、いくつかあるのですが、現実的な対応については、個別コンサルティングの中でご紹介させていただくことができるかもしれません。
※「判例」とは最高裁判決のみを指し(事実上の拘束力を持つ)、地裁判決は後日の同様の判決をする際に踏襲する必要がないと言われます(判例・判決の射程の範囲を見極めることも重要です)
※移転価格的には、経営指導料支払い後の利益が同業他社と同じ水準にある、つまり利益が出てこその経営指導と考えることがあります(海外の税務当局でも同様)